英文法のトリセツは、今現在「じっくり基礎編」「とことん攻略編」「中学レベル完結編」の3シリーズが販売されている英文法の参考書で、その名のとおり「英文法の取扱説明書」のように分かりやすく書かれています。
最近の家電製品や携帯電話などの取り扱い説明書はぶ厚くて分かりにくいので読む気にもなりませんが、この英文法のトリセツは分かりやすいどころか面白いといってしまっても大げさではないと思います。
私たち日本人は英語が苦手で、英語の勉強の中でも特に英文法が苦手だという人が多いと思うのですが、苦手な理由は修飾する、目的補語をとるなど文法用語も説明もややこしくて混乱するからだと思います。
実際に私が今まで読んできた英文法の参考書はどれもお堅い表現が多くて、しっかり説明して欲しいところは説明が少なく、噛み砕いて説明して欲しいところも「わざとか?」と思えるほど難しい説明になっているのが現実です。
ですが、この英文法のトリセツはとにかく分かりやすいです。
学校の授業を思い出して欲しいのですが、教科書は先生の教え方次第で難しくなってしまったり、分かりやすかったりと環境によって大きく変わりませんでしたか?
この英文法のトリセツは分かりやすく、楽しく授業をすすめてくれる先生のイメージです。
小難しい文法用語が少なめで英語初心者が読みやすい
まず私が好感がもてたというか、とっつきやすかったのは、難しい文法用語をなるべく使わないで説明してくれているということでした。
冒頭でも書いたように、一般的には難しい文法用語が出てくるだけでやる気が起きなくなってしまうわけですが、この本は文法用語を自分の言葉で説明してくれています。
つまり、分かりにくい言葉を噛み砕いて説明してくれているんです。
中には文法用語にイメージしやすいような名前を勝手につけたり、ときどき寒いオヤジギャグを交えたりして面白おかしく説明してくれているので、引き込まれるように一気に読みたくなってしまいます。
砕けすぎのときもありますが、そこもまたいいわけですよ!
著者も英文法が得意でなかったようなことを言っていますので、学校の先生とかと違って、英文法が苦手な私たちの気持ちとか、何が分からないのかということが分かっているからこのような内容の本が書けるんだと思います。
知り合いではないので、あくまでも想像ですが・・・・
それと、もう1つ上げるとしたら、英文法は英語のルールとして説明してくれていて、「なぜこういうルールなのか?」という仮説などを交えて説明してくれているというところでしょう。
英語圏の人はこういう傾向にアルとか、どうしてそうなったのかまで追求していると時間がなくなってしまうので「こういうものなんだ」と強引に納得して覚えるしかないことって多かったと思います。
でもそれって、さっぱり頭に入らないわけですよ!!
つまり長期記憶にはなりにくいということ!!
すぐ忘れてしまうか、最悪は理解したつもりで理解できていなかったなんてことも多々あります。
仮説を交えてと言うところが非常にユニークなのですが、必ずしも言語学者が言っているような研究結果をもとに説明してくれているのではなく、著者なりに「きっとこうだ」みたいな仮説を立てて説明してくれるところがゆるくてまた良い。
その仮説もユニークで英語圏の人はこうするだろう、とかとにかく読んでいて面白いので、この本をきっかけに英文法が得意になる人多いんじゃないかなあと思えるほどできのいい本です。
中学生に読ませてあげてあげたい本ですね!!
覚えていく順番もいいし、読者をあきさせない工夫も随所にみられて、かなりオススメの本です。
面白い人の授業を聞いている感覚なので何度も読みたくなる
この写真を見ていただけると分かると思いますが、私は英文法がキライなのにボロボロになるまで読んでいます。
英語初心者のころは「この文法どうだったっけ?」と思ったときにまず手に取る本がこの英文法のトリセツで、一度読みだすと知らない間にかなり長い時間読んでいたなんてこともあるぐらいでした。
今の英語力ですと「一億人の英文法」という本が好きでよく見ているのですが、英語学習をはじめてすぐの方には英文法のトリセツはマジでオススメです。
前述しましたが、楽しく授業をすすめてくれる先生がサポートについていてくれるような感覚の講義形式で進んでいくので、リズムも良いですし、ただ読むだけでなくしっかりと頭をつかって考えるような本になっているので、飽きずに読むことができますし頭にも入りやすいです。
何度も繰り返し読んでいえば必ず文法を理解することができる本です。
じゃあマイナスな点は?
英文法のトリセツのレビューを書いていて、ほめまくりな文章になってしまったので、ネガティブなことも書きたいんですがあまり思い浮かびません。
ただ、強引に取り上げるとしたら、情報量の中途半端さだと思います。
例えば文中に「こういう特殊な単語は少ないので全部覚えちゃいましょう」みたいなことが書かれているのですが、じゃあその特殊な単語を「全て」教えてよ!!
と思うことが何回かあります。
そこまでしっかり掲載されていたら完璧だと思うのですが、それを載せないところがまた「文法アレルギーが出ないように」考えられているのかなあとも思います。
もしくは「自分で調べないと覚えないよ」ってことなのかもしれませんね。
それ以外に文句が見つからないのでこのぐらいにしておきますが、「英文法のトリセツ」は英文法がキライな人、英語初心者にオススメする参考書の中ではいちばんオススメです。
参考書というより著者の阿川イチロヲさん劇場ですが(笑