113.十字を表す前置詞 across
overと似た「横断系」の前置詞として、次はacrossを勉強していきましょう。
acrossは「cross」(十字)が基本イメージです。
ですから何かを「横切る」イメージとなります。
基本イメージの文章を見てみましょう。
1.向こう側
There is a library across the street.
(道の向こう側に図書館があります)
道を横切った先、まさにacrossの基本イメージですね。
2.横断する
I want to swim across the English Channel.
(私はドーバー海峡を泳いで渡りたい)
これも横切る、そのまんまです。
I’ve traveled across the U.S.A.
(アメリカ横断旅行をしました)
こちらも大陸を横切るように旅行するということでacrossの基本イメージが生かされています。
acrossの広がり
across自体は、あまり無茶な意味の広がりをせず、比較的覚えやすい前置詞です。
ただし、動詞と組み合わさることで少し複雑になる場合があります。
ここでは文脈により意味合いが異なる句動詞come acrossについて説明します。
come across
come acrossは、イメージしにくい上に、意味合いも広がりがあるため覚えにくい動詞句のひとつです。
come(来る)+across(横切る)のイメージをベースに、いくつかのパターンを見てみましょう。
1.見つける
She came across the book which she wanted.
(彼女はほしかった本を見つけた)
向こうからやって来て、自分にぶつかってくるイメージですね。
何気なく本屋に入ったら、前からほしかった本が目に飛び込んできたイメージです。
2.思いつく
An exciting idea came across my mind.
(すごい考えが浮かんだ)
今度は考えが向かってきます。
ある考えが、向こうからこっちに向かってくる、つまり思いつくという意味合いになります。
3.伝わる
Her message didn’t come across to the audience.
(彼女の意図は聴衆には伝わらなかった)
意思が向こうからこちらに渡ってくる=伝わる、という意味合いになります。
どれも日本語にしようとすると苦労しますが、頭の中でイメージを膨らませれば、なんとなくどういうことかイメージできるのではないでしょうか?
特にTOEICは正確な和訳を求めているわけではありません。
「ん?なんだこれは」と思っても、あせらずに基本イメージを思い浮かべれば、なんとなく意味が取れますのでまずはしっかり「基本イメージ」を頭に入れておきましょう。