18.「~しなければならない」「~に違いない」助動詞 must 、似た意味の have to
さて、次の助動詞は“ must ”です。
“ must ” は動詞とくっついて「~しなければならない」とか「~に違いない」という意味をあらわす助動詞です。
代表的な意味としては次の2つです。
1)~しなければならない
2)~に違いない
1)の意味では
You must finish your homework.(あなたは宿題を終わらせなければならない)
のように使います。
2)の場合は
You must be tired.(あなたは疲れているに違いない)
となります。
簡単ですね
【 must に似た意味の have to】
ここで、助動詞“ must ”に似た意味を持つ語法を紹介しましょう。
それは「have to」です。
※ haveの発音はハヴではなく、ハフになります。
“ have to ”の使い方について説明しておきましょう。
では、使い方です。
a) must との互換性
「have to」は、“ must ”の1)の意味でのみ代用されます。
つまり「~しなければならない」という意味です。
そして1)の意味の場合、口語では「have to」のほうがポピュラーです。
b)意味の違い
意味の違いについては、“ will ”と“ be going to ” まで大きな差はないのですが、どちらかというと「have to」より“ must ”のほうが強制度が高いです。
ですので、規則で定められた義務などについては“ must ”を使います。
逆に、「自分でやらなければと思ったこと」に関しては「have to」を使うことが多いです。
I have to finish my homework.(私は宿題を終わらせなければ。)
All passengers must wear seat belt.(乗客はみなシートベルトを着用しなければならない)
c) must の過去形で使う
“ must ”は助動詞ですが、後に原形が来るので過去形を表現することができません。
なので、過去形では「have to」を過去形にして「had to」と使うか、
must +現在完了形( must have doneなど)と使うかになります。
※現在完了形をまだ説明していないのでさらりと流してください。
さて、では否定文に行きましょう。
少しだけ、ややこしい説明になるかも知れませんが、大事なところなので
しっかり読んでください。
“ must ”に対する否定文は、2通りあります。
「~しなければならない」に対する否定の言葉は2通りあるからです。
ア)「~してはいけない」(~することを否定)
イ)「~する必要はない」(しなければならないという義務を否定)
の2通りは全く意味が違います。
さて、
ア)の「~してはいけない」
は単純に
You must not enter the room.(あなたはその部屋に入ってはいけない)
のように、
で作れます。
では、
イ)の意味はどう作るのでしょうか?
“ must ”自体に「義務」の意味があるので、
「~する必要はない」という場合は“ must ”を使わずに
don’t have to動詞の原形~
need not 動詞の原形~
don’t need to 動詞の原形~
で表現します。
一番ポピュラーなのは
don’t have to
ですので、とりあえずこれだけ覚えて置いてください。
You don’t have to work today.(今日は働かなくて良いです)
これも主語が3人称単数の場合は“ doesn’t have to ”になりますので要注意。
★「~しなければなりませんか?」の疑問文
一般的に、助動詞を使った疑問文はどれも同じで
助動詞+主語+動詞の原形~?
となるのですが・・・
Must I study English?(私は英語を勉強しなければなりませんか?)
などという使い方はあまり一般的ではありません。
疑問文にするなら、「have to」を疑問文にして
「Do I have to study English?」
のほうが同じ意味でも一般的ですので、“ must ”の疑問文、というよりも「~しなければならないですか?」という意味の疑問文として
Do(Does) 主語 have to 動詞の原形~?
で覚えてしまいましょう。
助動詞は派生的な意味が多いのでややこしい部分もありますが、TOEICでのリスニングや文章問題でもアタリマエのように多く出てきますので、しっかり覚えておきましょう。