12.状態動詞と動作動詞
進行形を勉強しましたが、注意しなければならないのは、進行形にできない動詞というものが存在することです。
TOEICの対策としてはもちろん、英語の考え方を学ぶ意味でもとても重要ですので、ここで「状態動詞と動作動詞」についてお話します。
状態動詞とは、その状態を表す動詞
持っている(have)、知っている(know)など
動作動詞は、まさにそのときに行う動詞
食べる(eat)、歩く(walk)など
前回の記事で、進行形の作り方を勉強しましたが、この「状態動詞」と呼ばれるものは、通常は進行形にできません。
進行形で表現できるのは、一般的に「動作動詞のみ」となります。
おそらく、日本語で考えるとあまりピンと来ないのではないでしょうか。
それもそのはず、日本語と英語での大きな違いは「時制」です。
日本語は、あまり時制を意識せずに言葉を使います。
一方、英語は「それはいつ起こったことなのか」という、時制をはっきりさせながら話します。
では、日本語と英語の違いについて解説しますね。
さて、下記の日本語を見ながら考えて見ましょう。
1.「私は彼を知っている」
2.「私はそのペンを持っている」
3.「私はテニスをしている」
4.「私は朝ご飯を食べている」
これを英語に訳すとき、どう訳しますか?
現在形でしょうか?
進行形でしょうか?
正解は、1.2は現在形、3はどちらとも取れる、4は進行形です。
英語では厳密に時制を分けて使います。
つまり、「本当にいま、そのときにしていること」にのみ進行形を使います。
1の日本語は、「知っている」と進行形に見えますが、実際にはいままさに自己紹介をして知り合ったわけではなく 、少し前から彼のことを知っていて、そして今も知っている状態ですよね。
2に関しても、ペンは今買ったわけではなく、前から持っていて、そして今現在も自分が所有しているという意味ですよね。
英語では、そういう場合は「現在形」を使います。
また
3.に関しては、日本語では「テニスが趣味です」という意味合いの場合と、本当にいま「テニスをプレイしている状態」の意味合いと両方に取れますよね。
英語ではこの2つの意味を明確に分けて使います。
テニスが趣味でときどきやっているなら
I sometimes play tennis.
というでしょうし、
いまテニスをしているのなら
I am playing tennis.
といいます。
そして
4.は日本語でも進行形の意味で取る方がほとんどでしょう。
I am eating breakfast.
となります。
日本人にとっては、この使い分けが非常に難しく感じますが、
状態動詞 = 進行形では使わない動詞
として代表的な動詞を覚えておくことをオススメします。
【状態動詞の代表的な例】
think,know,like,have、liveなど。
【例外に注意】
ただし、haveなどは「持っている」の意味で使う場合は進行形にしませんが、「~を食べる」などの意味合いで使うこともあるので、その場合はI am having lunch now.(私は今、昼ごはんを食べています)などと使う場合があります。
また、“ live ”については、状態動詞なので通常は進行形にしません。
今住んでいる場所を言いたいならば、日本語では「私は東京に住んでいます」。
語尾が「います」なので進行形のように思えますが
英語ではI live in Tokyo. と言います。
ですが、たとえば出張などで短期滞在の場合は
I am living in Paris. (私はいまパリに滞在しています)
などと使う場合があります。
“ live ”など期間が伴うものは、現在完了形でも表現することがあるので、現在完了形のところでも改めて説明しますね。
言葉は生ものですから、例外はつきものです。
単語は複数の意味を持つものも多いですから、1単語=1日本語で覚えずに、用法なども押さえつつ覚えていくと効率がよく、TOEICなどの引っ掛け問題にも対応しやすくなります。