前置詞

前置詞of

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108.前置詞of

さて、いよいよ最もポピュラーで、最も多様に使われるofです。

ofはもともとはoff「離れる」から派生した言葉ですが、あまりに多様に使われ、その基本イメージからかけ離れたものが多いのです。

ですから、ofに関しては、語源に近いイメージの「基本イメージ1」と、語源から離れてしまったけれど、使い方の共通点として考えられる「基本イメージ2」に分けて考えていくことにしましょう。

基本イメージ1:分離

ofと言えば“the United State of America”のように「~の・・・」のような意味合いをイメージする方が多いと思いますが、語源由来からの基本イメージは「分離」です。

離れる、を意味するoffという言葉から派生した言葉なので、そのイメージが本来の基本イメージです。

所属していたところから、徐々に分離していくイメージを思い浮かべてみてください。

I was robbed of my bag.
(私はバッグを盗まれた)

Ken became independent of his parents.
(ケンは両親から独立した)

be robbed of~で~を盗まれる、という意味になりますが、この“of”が基本イメージ1の「分離」のofです。

be independent of(独立する),deprive A of B(AからBを奪う)なども分離のofのイメージそのものです。

絵で表すと、こんなイメージです。

基本イメージ2:関係性(所属・所有)

基本イメージから派生して、今はメインとして使われているのが「関係性」を表すofです。

つながり、といってもピンと来ないかもしれませんが、所有、所属、同等、主格を表す、目的格を表す、などさまざまなものに使われます。

日本語で言うと「~の」と訳されることが多いですが、使い方や意味の多様性においても、日本語の「~の」に該当するくらいたくさんあります。

使い方の例としては

The member of this club must attend the annual meeting.
(このクラブのメンバーは毎年行われる会議に参加しなければならない)

I found a button at the corner of the room.
(部屋の隅っこでボタンを見つけた)

He is the father of her boyfriend.
(彼は彼女のボーイフレンドの父親だ)

という感じです。

絵で表すと、こんなイメージです。

基本イメージから派生して、今はメインとして使われているのが「関係性」を表すofです。

関係性、といっても漠然としてピンと来ないかもしれませんが、所有、所属、同等などさまざまなものに使われるため、まとめると「関係性」ということになってしまうのですね。

日本語で言うと「~の」と訳されることが多いですが、使い方や意味の多様性においても、日本語の「~の」に該当するくらいたくさんあります。

とにかくいろいろな「関係性」を示しているので種類も多すぎるので、これは何のof?と考えていては身が持ちません。

もちろん、使い方のパターンを覚えることに越したことはないですが、基本イメージ2に関しては必殺技をお教えしましょう。

日本語の「の」に照らし合わせてAofBと来たらBのA、と訳してみる。

これでだいたい解決です。

所有

A of Bで BのAという意味、所有になります。

This is the crown of the king Arthur.
(これはアーサー王の冠です)

This is the car of my friend.
(これは友人の車です)

主格

動詞の名詞形+of+主語

ofの後ろが主語の働きをする使い方です。

Reporters were waiting for the arrival of the President.
(報道陣は大統領の到着を待っていた)

the arrival of the Presidentの部分を説明しますね。

この部分、普通に主語と動詞で表すと「the President arrives」になります。

arrivalは動詞arriveの名詞形です。

これと主語をofでつなぐことで、「大統領の到着」となります。

目的格

動詞の名詞形 of 目的語

The construction of the building will start on May.
(ビルの建設は5月に始まる)

今度はAとBの関係が目的語になっている場合です。

“the construction of the building”は、普通の動詞に直すと“construct the building”です。

これでは文中で主語として使えないので、動詞“construct”を名詞形にして

The construction of the building

とすると落ち着きます。

動詞の名詞形 of 目的語というパターンですね。

関係、内容

もっと薄い関係性で、of以降がofの前の内容をより具体的に説明するときにも使います。

Please show me a map of the world
(世界の地図)

the album of the Beatles
(ビートルズのアルバム)

the city of Yokohama
(横浜という市)

AとBを=でつなぐことができるのが特徴です。

~に関して

関係性を表すつながりで、「~に関して」というような意味合いでも使われます。

I’m sure of her success.
(彼女の成功を確信している)

be sure of
hear of
approve of
tired of

などで使われます。

用法として覚えておきたいのは、最後のtired ofだけです。

あとは必殺技は「BのA」と読み下していきましょう。

意味が通らない場合だけ考えましょう。

いろいろなパターンをご紹介しましたが、文法は、その知識をどうこうするのではなく、それを使って「読む」ことが大事です。

「これは○○のof」と考えなくても、意味が取れれば良いのです。

特にTOEICを受ける場合はスラスラ、を通り越して速読で読めることが前提ですから分からないところは復習として調べることにしてどんどん読む練習をしていきましょう。

「これは何のofだろう??」というような文法知識を問う問題は出ませんのでご安心ください!

前置詞of:「分離」のイメージの広がり

前置詞ofでは、2種類のイメージを覚えていただくと説明しました。

まず最初は、語源から最も近い意味の「分離」のイメージから広がりを見ていくことにしましょう。

be made of

made fromとよく比較されるbe made ofも「分離」の意味が含まれたofです。

Cheese is made from milk.

This desk is made of wood.

完成品を見て、原材料が分からないものには「起点」のfrom、完成品を見ると、材料が分かるものには「分離」のofを使います。

材料がだんだん形になっていくようなイメージができるでしょうか。

絵でイメージすると、こんな感じです。

原因・理由のof

分離から派生して、「原因」の意味でも使われます。

He died of lung cancer.
(彼は肺がんで亡くなった)

一番よく使われるのが「死因」の慣用句died of 病名です。

そのほかにも原因を表すofは

I am afraid of ghost.
(私はお化けが怖い)

I’m tired of reading this book.
(この本を読むのは飽きた)

などに使われます。

of+抽象名詞

少し難しい使い方ですが、人の特徴やものの性質を現すときにof+抽象名詞で表します。

このofも「分離」の意味を含むofです。

She is a woman of ability.
(彼女は有能な人だ)

This book is of great help.
(この本はとても有用だ)

こんな感じで使います。

これは、分離のofによってwomanの中にあるabilityを取り出す、ようなイメージで考えると分かりやすいと思います。

全体の中の一部分

一部分 of 全体、で全体の中の一部分を表します。

The handle of the cup was broken.
(コップの取っ手が壊れた)

I met a friend of mine yesterday.
(昨日友人の1人に会った)

Watch this edge of the scissors.
(このハサミのとがった部分を見てください)

I fell asleep at the end of the story.
(物語の最後に寝てしまった)

役職、代表

Barack Obama is the President of the United States of America.
(バラク・オバマはアメリカの大統領だ)

語源から来る基本イメージ、「分離」の意味で使われるofは、このようなパターンで使われます。

基本イメージ1の使い方は、重要ですのでしっかり覚えておきましょう。

さて、次は基本イメージ2の使い方を勉強しましょう。

数、量のof

数や量を表すときにもofはたくさん登場します。

これは慣用句としてTOEICにも当たり前にでてきますので、しっかり覚えて置いてください。

集団の中の1部、または全部

Some of the students couldn’t understand what the teacher said.
(生徒のうち数人は、先生が何を言ったか分からなかった)

集団の中から数人を取り出すイメージですね。

この使い方の注意点は、ofの後には特定の集団が来ることです。

ある特定の集団から、抜き出すイメージです。

たとえば、

some students(数人の生徒)
some of the students(生徒のうちの数人)

この違いが分かりますか?

some studentsは、生徒全体は見えていません。とにかく「数人」です。

some of the studentsは、生徒全体のうちの数人が、というイメージです。

ほかにも同じ使い方で

all of(全部)
half of(半分)
many of (多くの)
some of 
one of

などがあります。

同じような使い方で、数を持ってくることもできます。

Three of us have to stay here.
(私たちのうち3人はここに残らなくてはいけない)

40 percent of the staff attended the meeting.
(スタッフの4割が会議に出席した)

同じように、否定語を持ってくることで否定的な意味にも使えます。

None of them liked him.
(誰も彼を好きではなかった)

A lot of people came to the concert.
(たくさんの人がコンサートに来た)

hundreds of~(何百もの)、thousands of~(何千もの)

数えられないものを表すとき

牛乳やコーヒーなど液体なものや、数えられないものには入れ物を使って量を表現します。

Would you like a cup of coffee?
(コーヒー一杯いかがですか?)

ほかにもa bottle of wine(ワイン1本), a glass of milk(牛乳一杯)など。

数えられないものの一片

数えられないものの1つを表すときには、a piece of~などという言い方をします。

Will you give me a piece of paper?
(紙を1枚いただけますか?)

紙は1枚、2枚と数えられそうですが、紙はビリビリに破けば1枚が複数枚になってしまうため、a piece ofという言い方をします。

ほかにも、ケーキやピザ、パンなど、切って取り分ける食べ物

a piece of cake(ケーキ1切れ)

a slice of bread(パン1切れ)

a spoonful of sugar(1さじの砂糖)

などに使います。

数や量の表現は基本的な使い方ばかりですので、しっかり覚えましょう!

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