56.関係代名詞⑤
◇関係代名詞は省略できる!
関係代名詞の目的格はなんと省略できます!!
ですがこの「省略」が、日本人を惑わす原因でもあります。
たとえば The man I know is standing on the hill.
この文をぱっと見て、関係代名詞が省略されているなと見抜けますか??
関係代名詞のキーワード“whom”が入っていないので、かなり分かりづらいと思います。
いきなり読んで、関係代名詞が省略されていると気づくには、どういった思考回路が必要でしょうか?
英語は日本語より文法が厳密ですから、基本的に1文には主語が1つ動詞が1つが約束事です。
そして語順は「主語+動詞+目的語」が基本です。
ですが、関係代名詞が省略されている場合は「主語+動詞」の後にまた「主語+動詞」が続くなど「明らかにおかしい」文になります。
では、例文で使った文で、解読の練習をしてみましょう。
【その1】
The man I know is standing on the hill.
この文章を読んでみて・・・こう考えながら進んでください。
The man の後にandなどの接続詞がなく、突如また主語が来ている。おかしい!
↓
2番目の文に目的語がない!おかしい!
↓
関係代名詞が省略されているかも!?補ってみよう!
↓
The man (whom) I know is standing on the hill.
【その2】
This is the house He lives in.
文の後にピリオドも何もなく突如主語が来る、おかしい!
↓
関係代名詞が省略されてるかも!?
This is the house (which) He lives in.
と、読み直す。
こんな丁寧に読んでいては、TOEICのスピードに間に合わないのでは?とお思いの方、もちろん、そのとおりです!!
ですが、関係代名詞の省略パターンは「慣れ」ですので、だんだん読みなれてくるとわざわざこんなことを考えなくても、分かるようになってきます。
要は「数をこなす」ことです。
一番悪いのが、なぜこういう文になるかを考えないで「雰囲気で訳す」ことが習慣化してしまうこと。
多読も必要ですが、文法が定着していない段階では「精読」がとっても重要です!!!!
◇前置詞+関係代名詞は省略できない!!
さきほど例文に出した、前置詞と一緒に伴う関係代名詞は省略できません。
【省略できる】
This is the house which He lives in.
This is the house He lives in.
【省略できない】
This is the house in which Shakespere was born.
この文は、下記のように省略はできません。
×This is the house in Shakespere was born.
理由は明快「意味が分からなくなるから」ですね。
◇おまけ知識:thatにもできる
これ以上詰め込むとややこしくなるので、軽く触れておきますが
関係代名詞の主格、目的格は「that」に言い換えることも可能です。
The dog which is running in the park is mine.
↓
The dog that is running in the park is mine.
The dog which I saw in the park is Taro’s.
↓
The dog that I saw in the park is Taro’s.
ということです。
★制限用法、非制限用法って聞いたことある!?
関係代名詞には、「制限用法」と「非制限用法」があるって聞いたことありますか?
これは曖昧な部分も多いですし、TOEICでは全く必要ないと考えているので読みたい人だけサラリと読んでおいてください。
【制限用法】He has two daughters who live in London.
(彼はロンドンに住む2人の娘がいる)
【非制限用法】He has two daughters, who live in London.
(彼には2人の娘がいて、ロンドンに住んでいる)
カンマが入ります。
この違い、なんだか分かりますか?
【制限用法】では、「ロンドンに住む2人の娘」がいるけれど、ロンドンに住んでない子供が他にもいるかも知れないのです。
先行詞「2人の娘」をさらに詳しく修飾するので「制限用法」または「限定用法」と呼ばれます。
【非制限用法】では、「彼には2人の娘がいる」がメインの文になり、後付けの情報で「その2人はロンドンに住んでいる」と説明しているので、彼には2人しか娘がいないことが分かります。
後付なので「非制限用法」といいます。
・・・ということなのですが、はっきり言って、これは口頭で話すとカンマを打ってるのかどうか曖昧ですし、口で分かりやすく言うなら
I have two daughters,and they live in London.って言えばいいなぁと思いますのであまり深く考えないでください。
さて、では次は、便利な関係代名詞「what」ついて勉強していきましょう。
しつこいようですが、関係代名詞は怖くないですよ!!
どんどん文を読んで、早く慣れてしまいましょう!