25.代名詞の特徴的な使い方 it, we, youなど
代名詞をいろいろと勉強してきました。
それではここで、英語ではとてもよく使うけれど、日本語直訳だとぴんとこない代名詞の使い方を紹介します。
◇とりあえず主語の「it」
“ it ”はそのまま訳すと「それ」です。
ですが
「それ」として使われることのほうが少ないのです。
以前お話したように、英語では、例外を除いてほとんどの文に主語が必ず必要です。
ですから「天気」「時間」「距離」など漠然としたものを指すのにも主語が必要です。
たとえば「雨が降る」という日本語に対して、英語は「rain」1語で「雨が降る」という意味の動詞です。
ですが、英語はよほどのことがない限り主語を省略しませんから、“ rain ”に対する主語が必要になります。
「雨」を主語にすると× Rain rains.で「雨が雨が降る」で主語が重なってしまってうまくいきません。
そこでとりあえず主語「it」をつけときます。
これで文法上の問題もないですし、意味もすっきり通ります。
It rains.(雨が降る)
となります。
すっきりですね。
これと同じで時間や距離についても「とりあえずのit」を使います。
・時間
It ‘s five o’clock.(いま5時です)(The time is~・・・とはいいません)
・距離
It ‘s about one mile to the library from here.(ここから図書館まで約1マイルです)
・不定詞の仮の主語(形式主語)
※不定詞を学ぶと出てきますが、こういうものもあるということであげておきます。
一般的に英語は、結論を早く話すのを好むので、頭でっかちの文(主語が長すぎる文)は分かりづらいとして嫌われる傾向があります。
そのため主語が長すぎるときには、とりあえずitの主語を置いといて、後から主語にあたる部分を付け加えるという文の作り方をします。
To solve the problem is difficult.
↓
It ‘s difficult to solve the problem.(その問題を解くのは難しい)
◇一般的な人を表すwe, you, theyなど
we(私たち)、you(あなた、あなたたち)、they(彼ら)などの代名詞は、ある特定の人を指すだけでなく、一般的な人指すのにも使われます。
こういう文を直訳してしまうとおかしなことになるので要注意。
★we
We have a lot of rain in June.(私たちの地域では6月は雨がたくさん降ります)
これは日本でのことですよね。
ですから「we」を使って日本人の代表として(笑)日本のこのあたりでは、という意味をこめて「we」を使います。
ちなみに“ have ”も「持っている」と訳すと変です。
「ある」という程度に解釈しておくと分かりやすいかと思います。
★単語は1つでもいろいろな意味や使い方があります。
しかも基本的な単語ほど多様な使い方や意味がありますので、
1単語=1日本語で覚えるのは危険 です。
ここでも
have = 持つ
だけで覚えると「私たちは6月にたくさん雨を持っています」と分かるような分からないような意味ができあがります。
あくまで柔軟に考えましょう。
★you
You can see a beautiful garden from this room.(この部屋から美しい庭園が見えます)
これも、“ you ”は
目の前にいる「あなた」を指しているわけではありません。
パンフレットなどに掲載するような客観的な案内をするときに、不特定多数の「あなた」に対して発する「you」です。
この「you」、英語ではかなり登場しますので覚えておいてくださいね。
特にTOEICのリーディングでは、案内文や広告などの長文が出ますので、その場合にはこの「you」を使った文章がたくさん出てきますよ。
実際にアメリカのサイトを見てみてください。
ショップ側をwe、お客さん側をyouとしているサイトが多いはずですので、印刷して使うクーポンサイトなどひとつひとつのクーポンを見てみると、youだらけなはずです。
★they
“ they ”も特定の「彼ら」ではなく、不特定多数の人々を表す場合があります。
They speak English in England.
イングランドでは英語を話す。
They sell rice at that store.
あの店では米を売っている。
のような使い方です。
weとyouは特にたくさん登場するので、英語のサイトをネットサーフィンしながら、この手の文に読みなれていくと効果的だと思います。