英語学習者の間では知らない人がいないぐらい有名なベストセラー本。
パイ屋のエドと大きく太ったネコ(BIG FAT CAT)が「箱と矢印」を使って英語の形(文法、文型)をこれ以上簡単にはできないというぐらい簡単に説明してくれる本です。
つまり英文法を覚えるのですが、その説明が本当に簡単にできているので、英語を学生時代以来勉強していないような人にオススメできる本です。
英文はどんなに長くなっても基本の形(文型)は同じということを、難しい文法用語を使わずに絵で説明してくれているので英文法を学習しているようには感じないかもしれません。
そのぐらい簡単です。
簡単なので大雑把にしか説明してくれていませんが、その情報量の少なさが英語初心者にはぴったりなのだと感じています。
そのかわり、英語の仕組みがすっと頭に入ってくるので読んでいて面白いし、「英文ってこんなに簡単なものなのか~!!」と思えてなんだか、英語アレルギーが出そうな長文読解が得意になったかのような感覚にもなります。
著者は「英語は本を読んで覚えろ!!」と言っており、短編小説まで載っているのですが面白くてどんどん引き込まれる内容になっているので、英語小説の入門にもいいと思います。
最終的には、英語の本をたくさん読んで語彙力を少しずつ付けて行きましょうという結論になってくるのですが、そのための準備を手伝ってくれる本とも考えられるので、英語で書かれた物語などを読んで語彙を詰め込みたい人にはとても役に立つ本です。
英語の本を読めるようになるにはどうすればいいのか?
英語の物語を読むためのテクニック。
どのレベルの本から読んでいけばいいのか?
オススメの本はどの本か?
などが詳しく書いてあるので、おそらくあなたはこの本を読み終えたら英語版の小説本などを購入しているでしょう。
「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」の中で短編小説を2つ読むことができて、しかも解説がついていますので、今後物語りを英語で読むためのトレーニングと考えれば十分な内容です。
個人的には前置詞の話と英文の区切り方の話はかなり役に立ったと思っています。
文型を完璧に理解できている人や英語中級レベルになっている人には必要のない本ですが、読んでいて面白いのでお金に余裕があれば英語中級レベルの人も読んでみると面白いと思います。
この本が役に立ったところ
英語の学習をはじめてすぐの、初心者さんがこの本を読むと「どれもこれも」が役に立つ内容になってはいますが、ある程度英会話を学習した人にとっては必要のない内容かもしれません。
私自身も、「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」は英語初心者の時代に購入しました。
そのときには、「目からうろこ」と言われているような表現が当てはまるほど感銘を受ける内容でしたが、英語学習が進むにつれてその内容に物足りなさを感じるようになていきます。
この本は購入してから10年ほどたっても1年に1度ぐらい読み返しているので、10回以上読んでいるのですが、英語の学習が進むにつれて感じ方がちがいます。
少しは英会話が上達して英文法も理解できるようになってきたのですから当たり前の話なのですが、こう感じることができるようになったのは、この本で覚えた英語の形がベースにあるからだと思います。
今どのぐらい英語ができるかは、自己申告になってしまうので発表する意味がないと思いますが、ある程度レベルが上がってきてもたまに読みたくなる本ではあります。
今考えると、著者が前置詞のことを接着剤と呼んでいたり、形容詞や副詞を化粧品、化粧文などと分かりやすい言葉に置き換えて説明してくれたことが、初心者の私が英語の形を理解でき、学習が進むにつれて文章が複雑になっても混乱せずに理解できた要因だと思っています。
「on」が「~の上に」とか覚えている人は、この本を読んだら考えが変わると思いますよ!!
日本人の壁となっている「冠詞」に関しても、この本を読むだけで完璧に理解できるわけではありませんが、使い方の大枠はなんとなく理解できます。
英語ネイティブがいい加減に使っている文法だってあっていい訳ですから、私たち日本人も英語学習をはじめてすぐのうちは、この「なんとなく」という考え方も大切なんだなと思わせてくれる本です。